猫の痛みのサインを見逃すな

 皆様ご承知のとおり、動物たちはものを申しません。特に、病院では痛み等自分の不具合を表に現すことを嫌います。家では痛そうにビッコを引いていた子が、診察室で正常歩行となるケースは稀なことではありません。痛みは、ご家庭内等リラックスした状態のときに表に出やすいです。痛みは色々な原因でおこりますが、飼い主様に痛みのサインをご理解いただき、早く動物たちの苦痛を取り除けるようご協力いただければと思います。

・部屋の隅や押し入れ等から出てこない。・近づいてこない。・落ち着かない。・寝てはいないが、目をつぶっている。・尻尾をたたいている。

レベル2

・自分から動かない。・食欲の低下。・耳が平たくなっている。・目の内側に瞬膜がでている。・うずくまっている。

レベル3

・背中を丸めている。・攻撃的になる。・呼吸が早い。・うなっている。・体が震えている。・触ると怒る。・横たわらない。

レベル4

・ずっとうなっている。・全身に力が入って硬くなっている。・食欲が全くでない。・寝られない。・瞳孔が開いている。

 数年前までは痛みがあっても、猫ちゃんへの副作用が強く、中長期使用できる鎮痛薬がありませんでした。最近になり安全性の高い薬剤が開発され、複数回投与も可能になってきました。動物の痛みは、生活の質を落としたり、回復を遅延させたりすることが明らかになっています。飼い主様に動物たちの痛みの代弁者になっていただき、我々獣医師も速やかな改善をはかりたいと思います。