ビタミンについて

ビタミンがどのように健康に役立っているか、その一部をご紹介します。

1、ビタミンA

ビタミンAといえばβカロテンが豊富な緑黄色野菜をイメージされると思います。動物体内では、βカロテンをビタミンAに変換して利用します。猫はβカロテンを利用できないので、ビタミンAそのものを摂取しなければなりません。動物性のものでは肝油、卵、牛乳に多く含まれます。

役割は、①視覚に関わる成分の材料、②軟骨の成分として体の成長に関与、③表皮や粘膜細胞の分化、成長、生殖に関与。

欠乏すると眼の光に対する感受性が低下する夜盲症や、粘膜(気道、消化管、尿路)や表皮の細胞が剥がれやすくなり、皮膚のかさつき、ドライアイ、尿石症、消化管障害になりやすくなります。粘膜が弱くなるとバリア機能が失われるので、気道の感染や皮膚炎、胃腸炎に繫がってしまいます。

 

2、ビタミンB群

多くの種類があり、ほぼ全ての食物に含まれ欠乏することはほとんどないものから、消化管内の微生物にしか合成できないものがあります。いずれも体の細胞が機能するために必要なものばかりです。

ビタミンB1は抗神経炎因子といわれ、欠乏すると虚脱、神経炎、脚気など神経症状、浮腫、心臓障害を起こします。

ビタミンB2が欠乏すると成長不良、皮膚の角化、角膜障害、神経症状が出てきます。

パントテン酸は抗皮膚炎因子といわれ、欠乏すると神経変性、皮膚炎、脂肪肝の原因になります。

ナイアシンやビタミンB6は抗皮膚炎因子といわれ、欠乏すると皮膚炎、口腔粘膜潰瘍、下痢等消化器系異常、神経症状、貧血などがみられます。

 

2、ビタミンC

犬や猫は体内で作ることができるので通常補給する必要はありませんが、体調不良の時に添加してあげると良い場合があります。

役割は①強力な抗酸化物質で、活性酸素の攻撃がら細胞を守る、②コラーゲンの生成に必要で、皮膚にはりを与え、骨、軟骨、歯の生成に関わる、③神経伝達物質(ノルアドレナリン)の生成に関与。

欠乏すると消化管、尿路、筋、骨膜下の出血(壊血病)、歯・骨の発育障害、貧血、関節腫脹、浮腫などがおこります。

 

2、ビタミンE

トコフェロール、トコトリエノールがあり、胚芽や胚芽油、穀類など植物性食材に多く含まれます。抗酸化作用に優れ、動物の細胞を活性酸素から守るほか、毛細血管の流れをよくするので、皮膚の新陳代謝を活性化してくれます。

欠乏症は動物種により多様ですが、神経、腎、肝、脾臓、とくに筋の脈管系が損傷するといわれています。犬や猫では脂肪組織炎、皮膚炎、免疫不全がおこりやすくなるようです。

ビタミンAと同時に摂取すると抗酸化効果が高まります。

 

当院では、特に皮膚が弱い子や、乾燥肌が気になる子にビタミンAやビタミンEFの液剤を処方しております。肌のケアや、毎日の健康維持にもぜひお役立てください。